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初投稿ー東日本大震災と統計・計量解析モデルの開発

Daberg Inc. (ダルバーグインク)を2025年8月末に設立してからまだ日が浅いですが、今後の活動の準備をしつつ,の日々が続いています. 今回の投稿では, 目下の解析プロジェクトについて少し触れつつ,出張先のManilaについて書きたいと思います. 解析プロジェクトでは,東日本大震災を対象として,市区町村単位のデータを構築し,発災から約10年間の影響を解析する為の「三段階推定法」と名付けた統計・計量解析枠組みを開発し,その推定結果を 東アジア経済学会 (East Asian Economic Association)で発表してきました.2026年1月にも 米国経済学会 (American Economic Association)で同様の内容を発表するのですが,(i)自然災害や人為災害の影響の因果関係を特定しつつ,その反実仮想(同災害が起こらなかった場合)の影響シミュレーションを解析する統計・計量手法が存在しなかったこと,(ii)東日本大震災のような,歴史上最も大きい被害をもたらした災害の短中長期の影響を定量的に精緻に解析した研究が存在しなかったことから,一定の評価を得る事ができたようです. 主な解析結果では,被災してからはじめの2年間は経済活動へ負の影響があったものの,3年目から7年目の期間では災害と経済活動との間の関係はない(災害の影響が消失)ことがわかり,8年目では被災地域ほどその他の非被災地域と比べて経済活動が活発になっている所謂シュンペーターの「創造的破壊」が生じたことがわかりました.更に,開発した因果推論と反実仮想シミュレーションによる三段階推定法の結果によれば,災害被害が早く消失するほど,その後の経済成長軌道が良好になることが初めて発見されました.なお,これまで定性分析に留まっていましたが,福島第1原発による放射能漏れによる影響で,震災による津波で浸水した地域ほど人口減少が大きいことも定量的に見出されました. 弊Dalberg Inc.でも,「住」に焦点を当てていますが,本研究では,人々の営みが破壊からどのように推移し,街や村の再建と復興へ綿々と連なってきたのかを紐解く一端となっています. 2025年11月,会場だったManilaでも11日時点で20人超が亡くなり,130万人が避難を余儀なくされ,大量の家屋が崩壊する結果となった大型台風Fung...